こんにちは、広報の坂井です。
3月26日(月)、VASILY DEVELOPERS BLOGを公開しました。
データサイエンスチーム テックリードの中村による“将来発生するトランザクション数を予測する方法”です。
筆者に解説してもらいました。
ー 記事を開いてすぐ、見たことのない計算式だらけで心が折れたのですが、どういう内容なのでしょうか…?
リアルでもWebでも、人は購買など何かしらの行動を繰り返します。今回は、一定期間にユーザーが何回購買行動をするかの、予測方法を紹介しています。
ー 購買行動の予測ですか…。
はい、まずは全体を眺めて、全ユーザーで何回行われるかを予測します。更に、個人の単位まで落とすところまで計算しています。
ー どのようにやっているのですか?
BG/NBDモデルという確率モデルを使用しています。これは、ユーザーの購買行動のばらつきを解釈するためのツールです。
例えば、クラスでテストを行い結果を分析したい時、クラス全員分誰が何点取ったのかを全て追う必要はなく、平均点、最高点、最低点、といった主要な点数だけを残しておくと思います。
それと同様に、全ユーザーの全ての行動を把握するのではなく、主要な値をいくつか覚えておくことで解釈が可能になります。わざとぼかして見ることで、個々人のブレが気にならない状態にして、計算された値を適応します。
ー そこから個人の値を表すこともできるんですか?
はい、例えば月に1回の小テストがあるとして、今まで6回受けてそれぞれの平均点が何点、Aさんはだいたい平均プラス10点を取っていて、調子が良ければプラス20点くらい取っているとします。そうすると、全体の傾向とその人の傾向を見れば、次にどれくらいの点数を取るかを予測することができます。
ー なんとなく分かります。でも、それってお買い物でも同じなんですか?
セールなどの特異な状態を除き、日用品や食材など、定期的に購買が発生するものでは同じ手法が使えます。個人の購買行動は、そんなに大きく変化しないので何年経っても予測がしやすいものなんです。
ー これは、どういう時に活かせるのでしょうか?
例えば、マーケティングにおける顧客生涯価値というものに使うことができます。
未来を予測して、生涯的に額が大きくなるほど良い顧客(たくさん買ってくれる顧客)と考えた時に、そういう人に適したマーケティングを行いますよね?
それが分からず直近のデータだけに注目してしまうと、例えば一回きりの大きな金額を落とした人を対象としてキャンペーンを実施し、生涯的には大きな額を払ってくれる人にアプローチできず、マーケティングに失敗してしまうかもしれません。
1回ずつは少額でも生涯的に見て多くなる人の購買額を上げ、かつ継続してもらうにはどうしたら良いのか、という正しいマーケティングを考える事ができるようになります。
また、定期的に送る商品なども、「1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月」などざっくりしたものではなく、「水だから1ヶ月に1度、ウーロン茶なら2ヶ月に1度」のように商品ごとに分けることで、ユーザーにとって最適なタイミングを見極めることができます。
ー それはすごいですね!「買い忘れたからちょっと近くのコンビニで。」というシチュエーションってありますもんね。
はい。1回ずつは少額でも、積み重ねると大きな機会損出を防ぐことができるかもしれません。
購買に限らず、行動、例えばユーザーのコーディネートの投稿数などでも予測できるので、ユーザーの分類にもいかすことができます。
ー ありがとうございます!
最後に…
VASILYでは、膨大なデータを活用して世の中を変えるようなサービス作りを行いたい人を大募集中です。気になる方はぜひ一度オフィスへ遊びに来て下さい。
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